「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」トレーニングメモ4-1 ~キャラクターをとことん考え抜く・所感~

  引き続き「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」に沿って体系的な学習を進めていく。前回第3章の所感について書いたので、順序としては第3章の課題をこなす方が良いのかもしれないが、第3章からは課題の他にも実際に小説賞に投降するに当たって必要な行動が色々書かれているので、いったん後回しにして、とりあえず本書の内容を一通りさらってみるよう方向転換をしてみた。

榎本秋/榎本海月 DBジャパン 2019年03月
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自分が物語を読んだり観たりするのは現実逃避が一番の理由だった

 第4章のテーマは、キャラクターについての話だ。

 だがその前に、自分が特にフィクションの物語を好んで読んだり観たりしてきたことについて考えてみたい。それはやはり現実逃避だった。現実の自分や環境に満足しておらず、死んだように生きてきた青年時代は、とにかく人との関わりを極力避けて、フィクションの世界に没頭した。

 読書、は正直割合としては低かったが、ノンフィクションやエッセイなどは読まなかったし、ゲームについても技術を競う格闘ゲームやレースゲームといったものは全くやらず、とにかくストーリー性の高いRPGやアドベンチャーが主だった。自分でキャラクターをカスタマイズして、一人称視点で展開されるようなものはその中でも苦手だった。とにかく自分ではないキャラクターで、現実とは違う世界観で繰り広げられる物語にばかり夢中になっていた。

 そこでやはり重要だったのは、キャラクターへの感情移入だった。あまりに自分とかけ離れすぎていてもだめで(例えば海外ドラマなどはまず見ないし)、そこはある意味、現実を知っている自分が、ああこういうキャラクターで、こういう世界の物語を体験していたら、人生が変わっていただろうに……。といった感情に入り浸ることができるかどうかで、良作かどうかを判断していた。

 そのためには、やはりキャラクター設定というのは非常に重要だと思う。人は多かれ少なかれ、物語に触れている間はその世界とキャラクターに没頭したいものだ。

自分が作りたい作品に当てはめて考えてみる

 この章では、キャラクターの作り方、背景や特徴の設定、物語の中におけるキャラクター同士の関係性について、考えるべきことやメソッドが多く紹介されている。

 これを今自分が書きたい作品のテーマに当てはめて考えてみると、キャラクターをどう作りこんでいけばいいか見えていきそうだ。

 まず自分のテーマ、ターゲットについては、承認欲求が強く多感な時期にある中学生や高校生男子を中心としたものにしたい。まあ今の自分も承認欲求が強く、中高生並みの精神年齢だと思うので、この辺りは自分が読みたいと思う物語にこだわっているかもしれないが、まだ最初なので、その心はモチベーションとして書いてみるで良いと思っている。

 その承認欲求が強い、という段階にある主人公が、物語における出来事や人間関係の中で、その承認欲求をどのように自分の中で昇華していき、楽になれるか。というのが今書きたいことである。

 そのためには、主人公の承認欲求が高まるに至った背景、家庭環境や人間関係など、経歴的特徴や、関係的特徴を特に重視して考えていく必要があると思う。物語外の設定をかっちり固めることで、主人公の性格や成長過程に一貫性と説得力を持たせて、読者にともに成長していってほしいという意図がある。

 しかし、ただ読者の状況に合わせるだけでは、逆に醒めてしまったり、あるいは完璧なキャラクター設定をしてしまっては、感情移入が全くできず物語として破綻してしまうともこの本には書かれている。

 バランスを保つための弱点をきちんと考えていきたい。今のところ漠然と考えているのは、主人公はいたって真面目に承認欲求を満たすために行動しているのだが、それを客観的にみると空回りして滑稽なコメディになってしまうというものだ。そのためには客観性を持たせるためのキャラクターも別途用意することになったりと、考え出すと物語のふくらみが出てきて面白い。

自分をモデルにするのはNG

 と、自分が読みたい、自分が感情移入できる物語を作りたいという欲求はあるのだが、この本でははっきりと、一番身近である自分をモデルにしてしまうと自己陶酔や自虐に陥り失敗してしまうと書かれている。

 この辺は、自分の承認欲求を何とか作品を書く前に昇華して、自分とは異なる人物モデルを主人公にできるように検討していきたい。

 とりあえず、最初に考えるべきキャラは、主人公・ヒロイン・ライバルの3キャラからとも書かれている。もちろん自分の書きたい物語にもこれらの役割は存在するので、まずこれらキャラクターの設定を深く掘り下げていくことを目標としたい。そこから生まれそうな他のキャラクターの役割、要不要を適切に判断していくことが肝となりそうだ。

第4章まとめ

 ライトノベルなどエンタメ系小説において受賞を目指すなら、キャラクターの魅力を出すことは重要なことだと分かった。第5章は世界観についてのようだが、その前にキャラクターありき、というのはその重要性からだろう。

 今までのちょこちょこ書いてきたプロットは、世界観や設定に重視を置きがち(とくに中高生男子並みの精神にありがちなのかもしれないが)だったので、テーマの軸はブラさずに、今一度メソッドに従って、キャラクターを深堀する作業をしてみることが大事だと感じた。

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