独りでも生きていける力を持つこと

 彼女と別れて約1カ月。完全に独り身です。友達はいません。会社はリモートワーク中心で、顧客以外で人と話すことはほとんどありません。かなり傷心状態が続いていましたが、それでもどうにか立ち直ることができそうです。

 そこで、ひとりで自分が立ち直れたわけと、今の時代における生き方というか、自己ケア能力について考えてみたので書いてみようと思います。

困った時に人は頼りにならない

 困ったとき、悩んだ時は自分一人で抱え込まず、人に相談しよう。

 というのは、よく受けるアドバイスだと思います。なるほど確かに一理あると思いますし、きっと相談してよかったと思えることもあるでしょう。

 でも様々な理由で、人に気軽に相談できない理由もあるのが現実だと思います。身近に相談できる人がいない。家族がいない、友達がいない、恋人がいない、もしくはそういったこと自体が悩みであるといった場合です。

 もしかしたら、それでも誰かしらに頑張って打ち明けてみると、解決する可能性はありますが、それはかなり低い確率でしょう。

 カウンセラーにお金を払って話を聞いてもらうというのも有効ですが、30分や1時間といった時間は短いものです。それに彼らは基本的には傾聴スキルによって、相談者自身の自己回復を促すような話の聞き方をするだけにすぎません。

 カウンセラーからそれ以上のアドバイスを引き出す技術はあるのですが、それはなかなか悩みの渦中にある人には難しいでしょう。

 そう言った場合、どうするか。

 結局、自分で自分自身をメンテナンスするしかないのですよ。たぶん、それが今の時代に即したやり方なのです。人に相談することは最終手段と考えるべきでしょう。

核家族化、単身世帯の増加

 高齢者も含む単身世帯の割合は今後ますます増えると予測されています。

 2019年現在で35%超、2040年には40%が単身世帯になると予想されています。「 総務省|平成30年版 情報通信白書|単独世帯の増加 」など参照。

 核家族としての世帯数の割合も多く、すべてではないでしょうが、昔は良しとされていた、地域のつながりといったことも薄くなり、孤独である人はますます増えることが予測される時代です。

 その中で、果たして気軽に相談できる人というのは見つけられるのでしょうか。結局、多くの人は一人で生き、一人で死んでいくことになるということです。

 そんな時代に、まるで懐古主義のように、人とのつながりをもっと大切にして、お互いに助け合い生きていくということがどれだけできるのでしょうか。

 多分、それは人によってはかなりハードルが高いものなのだと思います。自分自身の悩みは、あくまで自分自身のものであって、誰かが解決してくれるたぐいのものではないのです。

 ならば、短絡的に人に相談するといった解決策は現代において有効とは言えないというのもうなずけるかと思います。

大切なのは自己愛

 他人に助けを求められないのであれば、やはり自分で自分を悩みから解放する力が必要なのです。

 というか、自分が助かるのは結局のところ一人なのです。西尾維新氏の物語シリーズのセリフじゃないですけど「人は一人で勝手に助かるだけ」なのです。

 じゃあどうしたら、自分で自分を回復することが出来るかというと、「本当の意味での無償の愛」と言うのは、自分自身にしか向けられないものだと気づくことです。

 結局、どんなに周りに人が居ようとも、生きて死んでいくのは自分自身なのです。死ぬときは一人です。ならばその死ぬ間際に、自分自身が自分自身を納得できる形で愛せなければ、100%の愛というものは得られないということになります。

 でもきっと、その自己愛があれば満たされることは間違いないのです。決して100%の愛情を、他人に求めてはいけません。それを欲してしまうことが間違いなのです。自分自身を100%愛せるのは自分自身しかいません。

 それに気づくことができれば、悩みがたとえ訪れたとしても、自分自身で光合成のように回復してある程度乗り越えられることができるのです。

どうすれば自己愛を得ることが出来るか

 自分に自信があって、自己肯定感がある人というのは、世の中に多くいると思います。

 自分を信じて、その信条に従って目標を設定し、自分の判断がすべて正しいと思え、自分を厳しく律せる人ですが。そう言った人のすべてが、自分からすべてその感情を得られたとは思いません。

 それは、育ってきた環境によって、自己肯定感を増してくれるような人物や物事に出会ったり、そういう自己肯定感をはぐくむ経験をしてきていることが大きいように思います。

 けれど、先ほども書いたとおり、この日本において、家族のつながり、友達のつながり、地域のつながりといったものは薄れ、ひとりで暮らしていかなければならない人が増えているのは確実です。

 そんな中、懐古主義によって、地域のつながりをもっと大切にとか、困ったらまず人を頼れといったアドバイスは役に立たないという人も多いでしょう。そんなことができているなら、とっくにしている。

 それができないから悩んでいるんだと。

 それなら、そういった悩み事、まずは自分を甘やかすことから始めるのが第一歩です。

中々自分自身を甘やかすことが出来ない人は、小さなことでも達成したら褒める

 自分で、自分自身をまず100%ありのままで認めてあげることは、それはそれで難しいことです。何もできない自分はやっぱり駄目な人間だと思ってしまいますからね。

 それでも、毎日本当に何もせずに一日が終わることと言うのもそれはそれで生きている以上なかなかあり得ないものです。

 例えば、ご飯が食べられたとか、コンビニに出かけることが出来たとか、洗濯ができたとか。そういう誰もができて当たり前と思えることが、悩みが辛い時はなかなかできないものです。でもそれに無理やりにでも頑張って焦点を当ててみましょう。

 そこから始まって、じょじょに大きなことを達成していくしかありません。

 自分の場合は、8月の頭に彼女と別れることになってから、それまで軌道に乗っていた執筆が全くできなくて落ち込んでいました。

 でもその間、本業の仕事は何とかこなせていたし、ノベルアッププラスの小説大賞の規定を、8月31日に何とか達成することが出来て、人生初の長編小説投稿ができたということが、その後の大きな自信につながりました。

 これは、人によっては、確かに大きなことかもしれません。なかなかそれができる人というのはいないでしょう。そんなことが出来るなら自分だって自身につながったと思うかもしれません。

 でもやっぱり、本気で小説家を目指している人はもっと努力していると思います。上を見たらきりがありません。

 それでも、僕自身としては、初めてきちんと目標を立てて自分自身でやりたいと思った目標を達成することが出来たのが、そのあとすごく自信につながったんですよね。

内向的な人は特に、周りの情報をまずシャットアウトするべき

 困った時に人にすぐ相談したり、自己啓発本やネットの情報を得るタイプの人は多いでしょう。そう言った人は外向的な資質を持っていると思いますし、世の中の多くの人は外向型でもあります。

 ただ、人付き合いが苦手であったり、人と接するときに自分を殺して人に合わせてしまって疲れてしまうような人は内向型の資質があると思います。

 もし、自分がそういうタイプでSNSでのやり取りや、ニュースや新聞で外界の情報を得ることに苦痛を感じているのだとしたら、その情報を一時完全に遮断して、自分の内面だけに目を向けることが大切だと思います。

 そして、なるべく頑張って、他にも自分より不幸な境遇の人が居るとか、他の人はもっと頑張っているという考えを捨てましょう。

 自分が苦しんでいる、その絶対的な事実だけに目を向けてとことん見つめなおすのです。その中で自分の悩みを大切にし、そしてどんな小さなことでもいいから、自分が今までできてきた小さな成果や頑張りに着目して、そこを肯定することをしてみるのです。

 その小さな肯定を、やがて大きな自己肯定感につなげることができれば、人に相談などしなくても、自分自身で少しでも立ち直ることが出来るのです。

 あとは、その肯定できたことをまずはお金を払ってでも、認めてもらえるカウンセリングのプロなどに聞いてもらって、裏付けを得たうえで、家族や信頼できそうな人へと広げていけばいいのです。

注意点としては、完全なうつ病ではないという状態であること

 ただ、これらの方法が当てはまるのは、重度のうつ病になってしまってからは聞かないことだと思います。まあ抑うつ状態くらいの症状であることが前提だと思います。

 うつ病と診断されたことのない僕でも、やはりある程度は抗不安薬などの助けを借りて、この考えに至りました。

 完全に重度になる前に、この考えを試せればよいのですが、僕自身は何とかそこまではならずに運よくやってこれたので、この方法は限定的かもしれません。

 外界の情報をシャットアウトするくらいでは回復できないほど重度だとしたら、そこは薬による本格的な治療が必要だと思いますので、その点はご注意ください。

 ただ、特に一人で暮らしている人、周りになかなか助けを求められない状況で、重度になってしまった場合は命にかかわります。

 そうなってしまう前に、まずは身を守ることを考えて逃げましょう。僕がとった行動は安易に人に相談せず、外界をシャットアウトし、自分の殻に閉じこもるということでした。それでうまくいく場合も実はあるのです。

まとめ

 人に相談することや、自分で悩みを抱え込まないというアドバイスはいくらでもあると思いますが、あえて、そういう方法もあるということを提示してみたいと思ったので、この記事を書きました。

 みんな同じだよ、なんて言葉に惑わされてはいけません。悩みはみんな違います。あなただけの悩みを、どうか大切にしてください。他の誰でもない、自分自身の100%の理解者になれるのは、自分自身だけなのです。

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