「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」トレーニングメモ5-1 ~物語の魅力を支える、土台としての世界設定・所感~

  引き続き「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」に沿って体系的な学習を進めていく。第5章は世界設定についての解説である。

榎本秋/榎本海月 DBジャパン 2019年03月
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素人が「ホライゾン」やってしまうと大変なことになる

 これは自分でも知っているくらいよく言われることだが、

読者は「設定資料集」を読みたいのではなく、「物語」を求めているのだから、最初から細かくて面倒くさくて興味のわかない設定を書かれてしまうとすっかり興味を失う

「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」 P.105

 ということなので、分厚い鈍器のような文庫で有名な「境界線上のホライゾン」みたいに、A4で780ページもあるような設定を素人が作りこんでしまったらきっと物語がおろそかになってしまうだろう。これはその道のプロだからできる芸当だと思う。それに最初から延々と設定を述べてしまうような作品は下読み段階で落とされることくらいはさすがにわかっている。

 それに、一応経験があるが、小中学校くらいでRPGツクールなる、いわゆるゲームを作るゲームがはやった時に、ノートに設定を書きまくって満足してしまって、結局完成に至る前に飽きてしまったということもある。今はあくまで物語を完成させることを目標にしていきたいので、設定にこだわりすぎないよう注意はしたい。

川上稔 アスキー・メディアワークス 2008年09月
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自分の浅い経験だけ頼らず世界観を作りたい

 ただ、自分の場合、年齢の割に人生経験が浅いと思うので、共感を得られるために必要な世界設定はある程度勉強して作りこまなければいけないだろう。一応、考えているの設定は現代日本の学校を舞台に、ちょっとバトルファンタジー要素を取り入れたものだが、はっきり言って主人公とはもはや2倍以上の年齢差がある。自分の高校時代を思い出すだけで世界は作れないだろうから、できれば若者の意見を取り入れたいと思うが、あいにくそういった知り合いがほぼいない準ひきこもりにはなかなか厳しいハードルである。

 夢を目標に、今一度人間関係を見直すべきかもしれないが、そこから取り掛かろうとするのはモチベーションが続かない気もするので、とりあえずは書きたいと思うテーマに必要な情報をネット(SNS)中心に上手く抽出してくるしかないだろう。まあこの辺りは、もっと努力しなければいけないところだが、最初はとにかく一本の作品を仕上げることを目標としたい。

異世界(転生)ものは書きやすいか?

 今の時代は異世界(転生)テーマの物語があふれているようだ。まだ「小説家になろう」「カクヨム」あたりに書かれている作品群、流行りのリサーチはできていないが、最近アニメ化されている作品を鑑みても、様々なものがあるように思われる。

 この章では、読者は疑似体験を求めるので、現実とかけ離れすぎた世界観だと感情移入できないという意味で、異世界の世界観を作り上げるには作りこみが大変だとあるが、そのハードルをゲームが下げてくれているようだ。

 最近流行りの異世界転生ものは、典型的なMMORPGをベースに作られているケースが多い(はず)「盾の勇者の成り上がり」「転生したらスライムだった件」「賢者の孫」「Re:ゼロから始める異世界生活」「この素晴らしい世界に祝福を」「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」あたりのアニメはこれまでぼーっと見てきたが、基本的に設定はRPGをベースにしていて、多くは語られない。RPG的知識は日本人の若者文化にすでになじんだものとして、それがわかっている前提で繰り広げられる。

 自分の彼女は小学生以来ゲームをやってないような人間であるが、それでもこれらのアニメは割と好きで観ていたりする。オタクやゲーマーじゃなくても受け入れられるほどに、これらの価値観は浸透しているので、書き手にとってもゲームをベースとした異世界設定は、手軽で展開しやすいものなのだろう。

 ただ、そこに今更乗っかってしまうのはレッドオーシャン過ぎるというものだ。確かに設定などは深く考えなくてもできるかもしれない。自分の作りたい物語のテーマに合わせて、必要な要素だけ盛り込めば、世界設定は完了である。ただ、それで賞が取れるかというと、博打要素も絡んでくる気がしている。そういう流行りに乗っかるだけなら、小説賞の投稿ではなく、なろう系で書けばいい。商業作家になるのだったら、次のトレンドを自分が作るんだというくらいの意気込みでいなければいけない。

第5章まとめ

 ちょっと取り留めのない感じになってきてしまったので、締めたいと思う。即興小説バトルの時間になってしまったし。とりあえず、現代をベースにした物語の世界観を作るメソッドについてもこの章には書かれているので、それを参考にしつつ、自分の作品にとって必要な世界設定を組み立ててみたい。

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