「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」トレーニングメモ6-1 ~魅力的なストーリーには何が必要なのか・所感~

 引き続き「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」に沿って体系的な学習を進めていく。第6章はストーリー設定についての解説である。

榎本秋/榎本海月 DBジャパン 2019年03月
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素人だからまずは起承転結を意識してみる

 ストーリーの構成を考える上での基本的な考え方について、本章では触れられている。「起承転結」「序破急」。さすがにこの辺りは素人の自分でも意識したいと思いながら、即興小説でも最初の数分を使って考えるが、バランスが難しい。起や承に時間を割いてしまって、転結がちゃんと書けずに尻切れになってしまうところが今の課題(即興小説一覧はこちら)。

 実際に投降を目指す小説に関しては、これらのバランスを上手く配置していきたいと思うが、どの程度基本に即していくか、はちょっと考えてしまう。物語としては、大きく起承転々結くらいにクライマックスまでの見せ場を大きく盛り込みたいと思ったりもするが、素人なのでなるべくシンプルにパターンを踏襲するのが良いかなと、そのあたりはテーマをブラさない範囲で構成を考えていきたいと思う。

パターンの否定ではオリジナリティとは呼べない

 本章では、「ウリを作り出すために」という項目でその方法論について書かれているが、オリジナリティには要注意ということも書かれている。

 これは、自分も聞いたり、実際によく思いついてたりもするが、いわゆる「パターンの否定」をオリジナリティと勘違いしてしまう状況の危険さについて言及されている。「解決しない推理小説」なんて、やはり誰も読みたくないものだし、読んでしまったら不満だけが残る。

 実際の最近の体験談として、とある集まりで知り合った人が、ほぼ自費出版に近い形で本を出したということで、その本を頂いて読んでみたところ、それが本当に「解決編が語られない推理小説」だったということだ。一応、解決しない理由については書かれていて、そうしたかった意図も「理解」はできるのだが、結局書き手の自己満足に終わっているような気がして自分自身が「納得」できなかったのだ。

 以前の記事で書いたが、結局小説を書くということは、マーケティングの考え方と不可分なので、必ず読み手が何を求めているか、読み手にとって満足できるものであるかを考えなければ「売れる」小説を書けるプロにはなれないということだ。もちろん、自分が書きたいものを書いてそれがヒットすればそれに越したことは無いのだが、そういう青春時代を送ってこなかったおっさんとしては、書きたいものを自由に書いてみるというプロセスは多少すっ飛ばしたいところである。(もちろん、そのプロセスも必要だと思うから、即興小説やブログで練習をしているのだが)

 とりあえず、本章でも書かれているように、面白さを阻害するオリジナリティは書き手の自己満足に過ぎないから実体験をもとに注意していきたいところだ。

第6章まとめ

 本章では、結論としてオリジナリティと面白さを両立させるためには、90~99%をパターンで固めて、残りで上手く変化をつけるだけでも効果的であるし、既存のパターンを、今までに見たことの無いように組み合わせるという二つの方法論が書かれている。

 ただ正直に白状してしまうと、いま思いついているテーマの主となるのが、実は王道の否定になっているのだ。ただ、ストーリーのパターンとしてはそういう否定もあり得るのではないかと思い、いったん突き進んだうえで、むしろそこにお決まりのパターンを持ってくることで、パターンとオリジナリティのバランスを上手く調整するように心がけたい。

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