執筆状況:設定およびプロット表の完成(2019/6/22 AM)

 誰のため、といわけでもなく、主に自分の記録のためではありますが、第14回小学館ライトノベル大賞の締め切りまで丁度あと100日ということもあり、現状それに投稿しようと思っている作品の執筆進捗状況を書き留めておきたいと思います。

ターゲット読者やテーマの設定

 これらは参考テキストとしている「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方」でもまず重要とされている項目なので、6月の初旬の方で設定をしていました。

 基本的にはガガガ文庫の主要読者層である中高生男子というデモグラで考えておりますが、それだけだと想定としては弱いので、自分自身を少し重ねて、承認欲求が強めで背伸びしている感じのターゲットを意識しています。

 往々にして思春期男子は承認欲求強めだと思いますが、より細かいペルソナを意識して、

「成績は平均より上をキープしている」

「ただ、親や教師からは正当な評価を得られてないと感じていて反抗的」

「地頭は良い方だが、マジョリティに簡単に迎合しないことを美徳と考える」

「友達相手に話を合わせることはできるが、漠然とした世の中への不満を持っている」

「完全なオタクグループには属していないが、アニメや漫画といったフィクションは流行りものであればチェックするくらいのライトオタククラスタ」

「そのため、見た目でラブコメやファンタジーとわかる要素のある作品には手を付けない」

「そういった自身の行動を客観的に自己分析はできており、達観したような感情を持っている(オタクと呼ばれる人種とは違うと思っている)が、同時にそれが本心ではなく人から評価されたい、自由に生きたいという願望も強く持っている」

 といった感じで、定性的ではありますが、そういった読者層に刺さり、満足してもらえるようなテーマを考えることにしています。

 その条件において、重要なのは「承認欲求の昇華」にあると考え、その解として「ありのままの自分を自己肯定できること」をメインテーマとしました。

 まあ、最近の自己啓発本や、ディズニー映画でも使われるようなテーマではありますが、この王道とも言えるテーマに対して、どのようなアイディアを肉付けして、物語として説得力のあるものにできるか、反抗期ともいえるターゲット読者に対して共感を得られるか、それを考えていくことが創作の面白いところなのかなあと、素人ながらに楽しんでいます。

榎本秋/榎本海月 DBジャパン 2019年03月
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キャラクター設定・世界設定

 物語のテーマを漠然と考えて、400字のプロットを起こしてみた後は、次に重要とされているキャラクター設定から考えていきました。これが先週6/15~6/16の土日メインで作業していたところです。

 ライトノベルにおいて、キャラクターが立っていない、性格や背景などの設定に説得力を持たせるまで考え込まれていないのは致命的な弱点になってしまうとのことなので、説得力を持たせられるキャラクターについて深く掘り下げてみていました。

 一応、物語の流れは意識しつつも、どういう感情を持つキャラクターなら読者からの共感を得られるか、またその感情に至るまでにどのような経緯・背景が必要なのかを徹底的に考えました。

 今のところ、物語の主要キャラクターと呼べるのは11人の予定ですが、それらにおいて、「外見的特徴」「能力的特徴」「性格的特徴」「経歴的特徴」「物語的特徴」「関係的特徴(他のキャラクターとの関係)」を軸に設定を深めてみました。これらは前述のテキストに書かれていた方法です。(ただ実際の作業においては、物語的特徴はちょっとまだ弱いので、プロットができた今の段階で見直す必要がありそうです)

 この作業、かなりハマってしまい、関係性や背景など性格にピタリとパズルのように合わさった時はなかなかの快感を得られます。先週の土日で一気に設定を盛り込みまくったのですが、これたぶんちょっと危険ですね。

 テンション高くなって決めた設定ほど、独りよがりになってしまっている気がするので、こういうのは執筆に入る前の段階で、信頼できる他社に評価してもらったりと第三者的視点が入るのが理想だとは思います。ただ、身近に同じ志を持つような友人はいませんし、基本的に人間関係の薄いおっさんなので、今の段階ではちょっとハードルが高いのです。

 いずれは、小説家を志す人たちのコミュニティや教室に参加したりして、そういった人脈を増やすことも必要だと思いますが、そのためにもまずは一人でやりきってみた。という実績が欲しいのです。そういう実績が無いとコミュニティに参加できないと思っているあたりが、まだ自分の未熟さ、完璧主義、自己肯定の低さといった、独りよがりなテーマにもつながる感情の表れだと思うのですが、やっぱり何らかのポートフォリオは欲しい、というのも素直な気持ちです。

 まずは一人でも、本気で長編作品を完成させてみる。

 というのが、向こう3カ月の短期目標なので、それは貫けるまで貫いていきたいと思います。なので、ハイテンションになった時に考えたり書いたりしたものについては、一度きちんと寝かせて、一人でも客観的な視点を取り戻したときに改めて見直すプロセスが大事なのかなあと考えます。

 プロット表を一通り作ってみた今、キャラクター設定との矛盾や過不足を感じているので、これらはきっと行ったり来たりするのでしょう。

プロット表の作成

 プロットの作り方については、独自、かどうかは分かりませんが、自分のやりやすい形を取っています。テキストにある通り、特定の文字数の梗概という形で文章化することもやっていきたいと思いますが、それだけでは情報量が不足してしまうと感じたので、自分なりのやり方でプロットを作っています。

 そのやり方とは、スプレッドシート(エクセルのGoogleオンライン版みたいなもの)を使って、見出しとして「エピソードタイトル(章立て)」「出来事」「テーマ」「読者への効果」「備考、調査事項」といったカラムを作り、物語に従って各行にそれらの内容を埋めていく、といったものです。

 「エピソードタイトル(章立て)」はそのままですが、「出来事」についてはその場面で起こることをなるべく客観的に、「テーマ」についてはその出来事が起こる物語としての意味や意義を、「読者への効果」は、その出来事とテーマによって読者の心理状態をどのように導く意図があるのかをそれぞれ書き、それらの条件を満たすために必要な情報や、調査・取材が必要なことを「備考、調査事項」の列に書き込んでいます。

 このやり方が果たして正しいかどうかは未知数ですが、理屈っぽい性格にはまず整然と整えられたプロットが無いと書き始められないと思ったので、まずこのようなシステムで物語全体を俯瞰し、それぞれの出来事やテーマが、物語の大元のテーマに沿っているか、論理的に破綻していないか、読者に受け入れられるかどうかを常に考えながら、不要であればそぎ落としたり、矛盾があれば入れ替えたりできるように、スプレッドシートを使って管理していく予定です。

 実は、これまでも小説を書いてみたいと思ったことはありましたが、このレベルのプロットを作ろうとしても集中しきれず、最後まで書ききれなかったり、とりあえず冒頭だけでも書いてみようかと意識がずれたりして全く書けずに放棄したりと、結局適当な妄想を浮かべるだけで満足して、形にすることができなかったんですよね。

 ただ、今回はついにその壁を破り、プロローグからエピローグに至るまでの出来事を並べきり、粗々ではありますが、テーマや読者への効果というところまで書ききることができたので、まずは第一関門突破といったところです。

 もちろん、いざ眺めてみるとまだまだ矛盾があったり、キャラクターが生かされてなかったり、横道にそれたりしていますし、原稿にした時のボリューム感もつかめてませんので、これはあくまで第一段階だと思いますが、とにかくこれをベースに執筆を進めていけば何とかなりそう、といったものが出来上がったので、これはやっぱり今までにない成長なのかなと思います。

次のステップ

 一応、当初の予定では、このプロット表やキャラクター設定などを6月いっぱいで完成させてから、本文の執筆に入ろうかと考えていたのですが、あまりプロットや設定にこだわりすぎるのも良くないですし、原稿は何度も書き直すこと、書くのに慣れていくことも考慮して、予定前倒しで本文を書き始めていきたいと思います。

 確実に本文を書いていけば、自分の技術・経験・知識の無さに挫折しそうになることが目に見えているので、調子が良くて本業も落ち着いている今のうちに、その辛さを味わっておかないと締め切りに間に合わないかなと覚悟しています。

 こんなところで、分かったような感じでブログ記事を書いているよりは、さっさと取り掛かった方が良いのかもしれませんが、プロット表を書ききって気分が高揚していたので、ここはいったん落ち着いて、自分を見直すための記録として書いてみました。書きながらの気づきもあったので、良しとしています。

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