小説を書くにあたってのトレーニング

 35歳になって小説を書きたいなどとのたまったものの、文章の書き方など体系的に学習したことはないので、いわゆる素人である。

 また、あまりに最初から遠大な目標を掲げてしまうと、途中で挫折してしまうのも目に見えているので、できそうなことからやっていこうと決めた。

トレーニング① 即興小説をたくさん書く

 まず第一にとにかく失敗を恐れずに書いてみること。今の実力や感覚をつかむためにもとにかく書いてみることにした。これは職場の同僚からちょっとしたきっかけで紹介してもらった「即興小説トレーニング」なるサイトがあったのでチャレンジ中だ。リンクは自分の書いた作品一覧になっている。

 まず制限時間と必須要素の有り無しを選択し、決められた時間内に決められたお題で即興で小説を書いてみるというサイトだ。とにかく何かを書いて生み出すことで執筆能力が上達するというコンセプトのもとに運営されているらしい。とりあえず、今は仕事がそれほど忙しくないので、平日でも時間ができたら、15分とか30分をメインに書いてみて、土曜日の夜はバトルという1時間内で同じテーマで書きあうイベントにも参加し、本日日曜は午前中に最大の4時間という制限時間で書いてみたりした。

 まあ、基本的には駄文がほとんどだし、未完でタイムアップになることも多い。文字数が記録されるが、常連のスピードには遠く及ばない。

 それでも未完の作品を含めて半月で30本の小説を書いてみることができた。今のところ順調に続けられそうであるし、うまくオチまでつけられた時はなかなか快感である。未完でも常に全体公開で挑むことを決めたので、結構集中して取り組むことができる。

 ただ、35歳にしては半引きこもりだし、人生経験や読書を目いっぱいやってきたわけでもなく漠然としてきた薄っぺらさがにじみ出ている感じがする。それはこれから積んでいくこととしよう。とりあえずこれは軌道に乗ってきたし、文字数や完成割合も回数を重ねるごとに向上しているようなので、これからも日課としていきたい。

トレーニング② 本を読むことも忘れない

 つい最近まではPS4のゲームに没頭することで時間を無為に費やしてきた。まあでも、アクションについてはヘタレで、物語を重視したRPGやアドベンチャーなどを中心にやってきたので、まったくの無駄ではないと信じたい。

 それでもこれからは活字に触れるという機会をなるべく持ちたい。好きなジャンルは基本的にラノベや日本のSFといったエンタメ系小説ばかりで視野は狭いかもしれないが、それでも表現の仕方や文体、キャラづくりなどを意識しながら読んでいくことで得られるものがあるだろうから、しばらくは好きなジャンルを読んでいこうと思う。

 まあ、ジャンルというより、完結している壮大な物語が好きなので、近道をするためには、一冊で完結するようないろいろな作者の本を読んでみるのが近道かもしれないが、部屋には積み本がたくさんあるので、それらを消化していくのがとりあえずの課題である。

 しかし「境界線上のホライゾン」がついに本編完結したということで、以前に4巻くらいまでしか読まずに売ってしまったものを全巻セットで買いなおしてしまったのはどう処理するか迷っているところだ。1冊1000ページはざらなのに本編だけで30冊近くもあるとは。普通の文庫の100冊分である。3か月くらいで読み切れるかどうかというところである。

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トレーニング③ 小説の書き方参考書に従って課題をこなしてみる

 さて、35歳になった今、闇雲に書いているだけでは当然商業作家になどなれるのはいつになるか分からない。かと言っていろいろな経済事情などからスクールにポンとお金を出すのも難しいし、そもそも人に教えられると自分のペースが乱されるため、なるべく独学で小説の書き方を学んでいきたい。

 だが今の時代、体系立ててそういったノウハウを提供している本はいくつも存在する。その中でとりあえずなるべく新しいものと、Amazonがお勧めしてくれた商品に絞って、学習していきたいと思う。

 購入してみた本は以下の2冊「この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方 (ES BOOKS)」「「物語」のつくり方入門 7つのレッスン」だ。前者はラノベなどのエンターテインメント小説を書きたいと思っている今の自分にぴったりだし、後者は「小説の書き方」で検索したときに一番おすすめで出てきた本なのでとりあえずこの2冊をこなしてみることにした。あまり手を伸ばしすぎるのは得策ではないと思うし、こういったノウハウ本は大抵章ごとに課題が与えられるものだ。今は先達を信じて、これらの本の課題をこなしていきつつ、執筆能力を向上することに努めていきたい。

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トレーニング④ 自分のオリジナル長編についての深堀を進める

 これまでも何度か小説を書きたいと思って、プロットにも至らないアイディアについてはちょくちょくノートに書き留めたりしていた。

 だが、いろいろ長続きしない性格や、こんな歳になって(社会人になってからとか)とか、冒頭を書くだけで精魂尽き果ててきた過去の経験から、自分にはできないと思い込んできた。

 でもトレーニング①を半月実践したことで、書きたいという意欲と、書けるという自信が、これまでの人生で経験したことが無いほどに湧き上がっているのを感じている。とにかく難しい技法はいらない。最低限の小説の書き方ルールがわかって、書きたいテーマやキャラクターを深堀していけば、自分も書きたいものが書けるという自信が今までになくある。その自信があるうちに、オリジナルの物語の考察に注力することで、きっと今までできなかった、物語の完成を目指せるという気がしている。

 この機会を逃す手はないが、とりあえず今の状態で書ける最高のものを期限を切って書ききってみたい。その目標とするのは、ちょっと無謀かもしれないが9月末締め切りの「小学館ライトノベル大賞」としてみたい。締め切りまで4カ月弱。一次選考にも引っ掛からない可能性が高いが、先延ばしにしてもきっといいことはない。

 先に書いた、遠大な目標は続かない。ということに矛盾はしてるかもしれないが、本日4時間の即興小説で、原稿用紙23枚分の文章を書けたことがなんだか自信になっている。あとは仕事がこれから忙しくなりそうな気配がしてるのが唯一の気がかりだが、正直今の仕事に大きな生きがいを感じない。

 かと言って、完全に専業で書いていけるとも思ってないが、比較的自由な社風で働けている今の境遇を活かしきるのも手だと思う。締め切りが無いと自分を追い込めないので、やはり今後において主要な小説賞は意識して長編を多く書いて自信を持つことにつなげたい。

ただしやはり一番は楽しむこと

 これらのトレーニングが苦痛であればきっと長続きしない。トレーニング①が今のところ上手くいってるのは、書くことが楽しいと思えている点にある。もしこれらのトレーニングを続けるうえで、やっぱり楽しくない。と思えてしまったときは、柔軟に方法を変えてみようと思う。

 でも、とにかくこれまでになくやる気になっている今のうちに、各種トレーニングが軌道に乗ることを目標に、まずは駆け抜けてみたい。35歳ワナビの新たな人生の幕開けである。

 

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